スピンオフとスピンオフした後の対応について | やまブログ 米国株投資をしよう

スピンオフとスピンオフした後の対応について

やまブログへようこそ。

今回は、スピンオフについて及びスピンオフした後の対応について、書いていきたいと思います。

まず、そもそも「スピンオフ」とは何ぞやということですが、
・会社にある一部門を独立させて別会社をつくること
・別会社とは子会社化等によって、資本関係は維持される
ということです。

例えば、直近の例で言うと、先日AT&Tがスピンオフを発表しましたが、
・AT&Tの事業の内、メディア部門のWarnerMediaを独立させて、Discoveryと一緒に別会社を設立
・この別会社の株式をAT&Tは71%取得することによって、資本関係は維持される
ということです。

ちなみに、ある会社の一部門を独立させてできた別会社が、元の会社との資本関係を継続させない=完全に独立した会社となることを、スピンアウトと言います。

スピンオフを行うことの会社としての主なメリットは、
・組織が小さくなるので、意思決定が迅速になる(ことが期待される)
・核となる事業に専念できる
→以上により、業績を伸ばすきっかけになる(ことが期待される)
・元の会社にとっては、お荷物事業を切り離せる=業績が回復する(ことが期待される)
という点があります。

一方で、スピンオフを行うことの会社としての主なデメリットは、
・大会社の中にいた時と比べて、別会社となり会社の規模が小さくなることから、経営面でのリスクがある。
・別会社とは言え、資本関係は継続していることから元の会社の意向も反映されるため、全くの独自性を出せるかというと疑問
という点があります。

元の会社としてみれば、経営効率化を図ることが出来ますし、新会社としてみれば、元の会社の足かせが無くなって動きやすくなり、業績を伸ばすチャンスとなりますので、何らかの対策を取ったということは良いことかと思います。

それでは、株主の立場から見るとどうでしょうか。

結論から申し上げますと、結構面倒なことになります・・・。

もし保有している銘柄がスピンオフとなった場合は、(楽天証券の例です。)

特定口座で保有していた海外株式に、非整数倍の株式分割(無償割当)、株式配当等のコーポレートアクションが発生した場合、特定口座から一般口座へ払い出された後に、コーポレートアクションの手続きが行われます。
なお、コーポレートアクションにより一般口座に払い出された株式を再び特定口座へ移すことは出来ません。

また、一般口座に払い出された株式については、保有商品一覧等の資産状況確認画面で入庫単価が「-」と表示され、取得価格は「0円」として評価損益や実現損益等の計算がおこなわれます。
確定申告で損益を計算する際は、取得時の単価(郵送でお送りする払出通知書に記載されています)で計算する必要がありますので、ご注意ください。

楽天証券HPより

との記載があります。

つまり、
・特定口座で保有していた株式が、自動的に一般口座に払い出される=変更となる
・一般口座に払い出された株式を、再び特定口座に移すことは出来ない
ということです。

スピンオフが発表された場合、あわせて、「元の会社の株数〇〇株につき、新会社の株数〇〇株が付与される」という形で割当比率も発表されますので、例えば、「元の会社の株10株につき、新会社の株1株を付与」となっており、現在元の会社の株を20株持っているということであれば、元の会社の株20株と新会社の株2株が、一般口座に払い出されるということになります。

特定口座と一般口座の違いについて、少々書いていきたいと思います。

【特定口座】

・利用者が確定申告等の納税申告を行う負担を軽減するために作られた口座
・口座内の譲渡損益を証券会社で計算してくれ、証券会社にて作成された「年間取引報告書」を用いて確定申告することが出来る。
(特定口座・源泉徴収ありを選ぶと、特定口座内での売買で生じた利益に対する税金を証券会社が源泉徴収してくれるので、基本的に利用者が確定申告を行う必要は無し)

【一般口座】

・利用者自身で譲渡損益の計算を行う必要があり、その内容を基に確定申告を行う必要がある。

さらっと見てみると、「確定申告を行う手間がかかるかどうかか・・・。そんなもんか。」と思う方もいるかもしれませんが、上記の引用文を見てみると、入庫単価が「-」で取得価格は「0円」として表示されるが、確定申告で損益を計算する際は取得時の単価で計算する必要があるとのことですので、スピンオフの前に書面を保管する・電子書面を保存する等何らかの形で記録を残しておかないといけません。

また、確定申告は日本円で計算するので、損益を計算する際は、日本円に換算した売付価格と日本円に換算した買付価格が必要となります。つまり、ドル建ての株価の他に為替レートも記録しておかないといけないということになります。

買付価格は(当たり前ですが)、スピンオフした時の価格ではなく、買付した当時の価格となりますので、1回のみであればまだ良いのですが、複数回にわたって買付している場合は・・・。(いろいろ面倒)

私は長期投資の方針で米国株投資を行っていますので、買ったらずっと持っておくというやり方なのですが、それほどマメな方ではなく、手間はあまりかけたくないし、余計な書類を持っていたくないので、一般口座に移されるような事態になるのであれば、その前に一旦売ってしまって改めて特定口座で買いなおせばよいかなと考えています。

とにかく楽なので特定口座を利用していますが、一般口座にも探せば良いところはあるよね。
(たぶん)

長くなりましたので、今回はここまでとします。
それでは。

投資は個人の責任でお願いします。
自分のお金のことですので、しっかり勉強して経験を積みましょう。

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